細菌性胃腸炎とはいわゆる食中毒のことです。
食中毒とは、 サルモネラ菌、ブドウ球菌などの細菌、化学物質などがついた
飲食物を食べたり飲んだりしたときに起こる健康障害のことです。
食中毒の予防ポイントは、
菌をつけない、菌を増やさない、菌を殺すが三原則です。
食中毒は起こり方が急激で、
嘔吐、下痢、腹痛、発熱など急性胃腸炎のの症状が生じますが、
症状が軽いものが大半です。
サルモネラ陽炎
感染源
夏から初秋に多く、主に卵、食肉の汚染や
犬や猫、亀などペットから感染することもあります。
猫が糞をする砂場も要注意です。
特に要注意なのは、卵からの感染です。
鳥の卵の表面には食中毒菌がついていると考えて扱ってください。
症状
食べてから8~48時間以内に
激しい下痢、腹痛、嘔吐、発熱が見られます。
激しい症状は48時間以内に治まりますが、
下痢は長引きます。
カンピロバクター陽炎
感染源
牛や豚、猫、鶏など動物の便で汚染された
食肉や牛乳を通して人に感染します。
ペット等とキスをして感染することもありますので、注意が必要です。
症状
日本の細菌性胃腸炎に占める比率が高い。
食べてから3~5日後ぐらいに、
血の混じった下痢便、激しい腹痛、嘔吐が見られます。
ブドウ球菌食中毒
感染源
化膿した傷がある手で調理した
食べ物からの感染がもっとも多く、
サンドイッチ、おにぎり、お弁当、シュークリームなどを
食べてから起こることが多いです。
症状
食べて1~6時間後に、
嘔吐、腹痛、下痢が見られます。
比較的軽症ですみます。
ボツリヌス菌食中毒
感染源
ハム、ソーセージ類、いずし、すじこなどを媒体とします。
1歳未満の赤ちゃんにはハチミツも感染源です。
症状
突然発病し、下痢や嘔吐のほかに、
力が入らない、声がでない、手足がしびれる、呼吸困難などを伴い、
命の危険があります。
O-157感染症
感染源
病原性大腸菌の一種、O-157に感染して起こります。
菌から発生するベロ毒素のため、
出血性の症状が起こります。
人から人へも感染します。
症状
3~5日の潜伏期のあと、
腹痛と下痢で始まり、
やがて激しい腹痛、下痢、真っ赤な血便が出ます。
悪化するとベロ毒素のために溶血性貧血、脳症を起こします。
この菌に感染すると、成人の多くは軽い下痢程度ですみますが、
子供や高齢者の場合は、重大な経過をたどるケースもあります。
細菌性胃腸炎の治療
原因によって治療法は違います。
下痢止めなどは用いてはいけません。
体力の消耗を抑えつつ、脱水におちいらないよう水分を補給します。
細菌を取り除くコツ
①水道水には塩素が含まれているので、殺菌作用があります。
水道水でよく洗うことは第一の基本です。
②トイレの後や調理の途中、
砂場遊びをした後や外から帰ってきた後は、
必ず手を洗いましょう。
消毒用せっけんを使うとより効果的です。
③ レタスやキャベツなどの野菜は、
1枚1枚切り離してから、よく洗ってください。
水道水に一晩つけておくのも効果的です。
根野菜は皮をむいて使うこと。
夏場や野菜を湯通しして食べるほうが安全です。